とある日①(休日)
朝から体が重い。
昨日、久々に会社の同僚と酒を飲んだのが効いているのかも、と思いながら起床する。
自ら進んで起きたわけではなく、妻のドタバタする足音で目が覚めた。
おそらく、9:30頃には家を娘と出ると張り切っていたが、遅れかけているのだろうと予想をしておく。
マットレスから落ちかけたアイフォンの電源を入れると既に8:45分だった。
妻と2歳になる娘は本日品川の水族館へ。
妻の2歳年上の姉と合わせて三人で女子会だ。
妻には参加するよう声はかけてもらったが、丁重にお断りしておいた。
義理の姉も私に会いたいのではなく、人見知りを一切しない娘に会いたいのだから当然の選択だろう。
どんなに仲が良く、家族だ、と言ってもどうしたって気は遣う。
せっかくの休日だ。たまには男一人で過ごすのも良い。
実は昨日同僚と飲んだ時から密かに楽しみだったとは言うまい。
妻と娘を玄関前で見送ってから、さて何をしようかと考える。
昨日から何をしようか?考えてはいたが、飲んで忘れてしまった。
読書?テレビドラマ?麻雀?さて何だったか。
そうだ、今日は月初の休み。家計簿の管理をしなければ、と思い立つ。
マネーフォワードを使って管理しているが、提携していない口座や管理しきれていない資産もある。毎月の月初に前月の家計管理の総まとめが月課となっている。
キャッシュレス決済を徹底しているからこそできる管理術だ。
パソコンを使い、パチパチと口座を見ながら入力していく。
グラフ化もしているので、資産が増えていくのを見るのはうれしい。減る月もあるが、、、。
時間はかかるが、自分はこの作業が好きなのだ。
、、、。
気づくともう11時。なんと1時間も費やしてしまった。
冷蔵庫をチェック。昼食用でなにかできるか、、、できない。
急いで買い物に出かける。自分のお昼ご飯と、妻と娘を含めた夕食用の買い出しだ。
コートを着込み、可愛いエコバッグに財布を入れて外に出る。
家近のドンキホーテに喫煙所がある。寄って行こう。
帰りにカフェラッテを買うからまず1本、と心の中で謝罪しながら寒空の屋上でタバコに火を着ける。家では絶対に吸わないと誓っているタバコだ。基本、外で酒を飲む時しか吸う事はない禁断のタバコである。
キャスターの3ミリボックス。
昔からこれだ。大学2年生で当時の彼女に振られた弾みで吸ったのが、キャスター3ミリだった。今はウィンストンと名を変えたが、いまだにこれを吸っている。当時、これを勧めてきた友人は今でも仲良しだ。恨んではいない。今月の大学同期の忘年会でも会えるだろう。何を話そうか。そんなことを思いながら、空を見る。
すがすがしいほどの青空。
雲が多いが流れが速い。タバコの煙も勢いよく流れていく。
フー、、、。と息を吐く。気持ちの良い天気だ。
近所のスーパーへ。通い始めて早2年。お世話になります。野菜の質が良い分、値段はそこそこ高い。もう少し安くしてほしいとは言うまい。
店頭で今週のお買い得チラシをもらいいざ売り場へ。野菜、鮮魚、精肉とあらかじめ頭に入れたメニュー作りのための食材を買いあさっていく。節約重視だが、今日は妻と娘を喜ばせるため、牛肉を購入する。夕飯はビーフシチューだ。
帰路につき、また行にタバコを吸わせて頂いたドンキで再度吹かす。
空は相変わらずの青空だ。なぜこんなヤンキーがこのエリアにいるのか、、、そんなことを思わせる風貌の兄ちゃんが続々と来店してくる。1階に降り、森永乳業カフェラッテを購入。中学1年以来、ほぼ毎日1本飲んでいるこいつ。相棒といっても差し支えない。
帰りがけに飲みながら歩く。これだけは昔から変わらずうまい。
家に着く。スーパーで購入した冷凍チャーハンと、昨日作っておいたポトフを食べる。
さすが、美味い。コロナが流行してから料理(自炊)にハマったが、自分は才能があるんじゃないかと思っている。バズレシピのリュウジ先生を崇拝している。
飯を食べ、時間がある。毎週の土日の週課となっている掃除のスタートだ。
トイレ、水場、リビング、寝室と毎週のコース通りに掃除をしていく。なれたもんだ。結婚するまで掃除することの方が珍しかったのに。いまでは妻より頻度が高い。
なんと、掃除完了する頃にはもう16:00ではないか。妻から18:30には駅に迎えに来て欲しいとラインが入っている。ビーフシチューを今から作って2時間でできるのか?すべてはリュウジ先生のレシピにかかっている。
食材を全て切り終えてから、動画で再度学習する。フムフム、注意ポイントは?最近では、一から十まで動画と一緒に進行する必要がなくなった。ある程度流し見で十分だ。継続は力なり。なんとなくだが、料理スキルは向上していっている。
18:10。何とかビーフシチューを作り終えた。味見、、、。美味い。
リュウジ先生、ありがとう。
妻へ今から出る旨を伝え、ついでに今晩はビーフシチューであることを報告。喜ぶ顔が目に浮かぶ。
外へ出た。辺りは真っ暗になっていて、目の前の公園から子供たちの声が聞こえた。
子供は元気だ。
いつもの信号、いつものスーパー、いつもの住宅街を通り抜け、ギラギラと輝く駅前に到着。18:23分。本気で歩けばこんなもんだ。
改札前で待つ。ドっと人が押し寄せる。
スーツを着たサラリーマン?カップル、恋人、あれは、インド人か?
その中で、こちらへ手を振る私の妻と娘。娘は抱きかかえられ、お休みムードだ。
外気は寒いが、心がホっとするそんな瞬間。
私は幸せなのだ。
この幸せを守っていきたいと、いつでもそう思っている。